行政書士は主婦に人気の資格?在宅開業と両立の実態【2026年版】

行政書士は主婦に人気の資格?在宅開業と両立の実態【2026年版】 属性別ガイド
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結論から言うと、行政書士は「主婦だから」「子育て中だから」という属性そのものが有利になる資格ではありません。ただし、①受験資格に年齢・学歴・国籍の制限がなく、②合格すれば資格は生涯有効で子どもが大きくなってから登録することもでき、③書類作成中心の業務は自宅で完結させやすい、という3つの特徴が、家事・育児と両立しながらキャリアを模索する女性の生活スタイルと相性が良いのは事実です。一方で、学習には500〜1,000時間規模の時間確保が必要であり、開業しても集客できなければ収入はほぼゼロという厳しい現実もあります。「取れば安泰」な資格ではなく、「学習時間をどう作るか」と「開業後にどう集客するか」までセットで考えることが、この資格を利益につなげる前提になります。

行政書士が女性・主婦に選ばれる理由

女性登録者は10年で2倍以上に増加

伊藤塾コラム「行政書士の人数を徹底検証 最近の推移・県別データ・女性の割合など」によると、行政書士の女性登録者数は2010年の4,559人(全体の11.30%)から2025年には9,319人(全体の17.2%)へと、10年間で2倍以上に増加しています。全体の登録者数も2010年の40,475人から2025年の54,261人に増えていますが、女性の伸び率はそれを上回っています。またSTUDYing「女性行政書士の割合は増加傾向。行政書士の魅力とやりがいとは?」では、令和5年11月末時点の登録者52,060名のうち女性は8,298名(約16%)で、試験の受験者・合格者に占める女性の割合も、令和3年の30.8%(受験者)・27.1%(合格者)から令和5年には32.7%・29.4%へと上昇傾向にあると紹介されています。

生涯資格・年齢制限なしという特性

同記事は、行政書士試験には「受験資格に年齢や回数の制限がありません」こと、そして「一度試験に合格するとその資格は生涯有効で、何年後、何十年後でも行政書士登録が可能」であることを、女性にとってのメリットとして挙げています。子育てが一段落してから登録・開業するという選択肢を取れる点は、他の国家資格と比較しても行政書士の特徴といえます。

実際にnoteで体験談を公開している合格者は、note「主婦が行政書士試験を受験する理由|がはらさん@行政書士試験合格」の中で、2歳の子どもを自宅保育中に受験を決めた理由として「ある程度自分のペースでできる」「自宅でもできる」という柔軟性と、学歴・年齢・国籍を問わず誰でも受験できる点を挙げています。ただし同記事の著者は合格後すぐに開業したわけではなく、現在はサービス業のパート勤務を続けながら「子が何歳になっても魅力的」な選択肢として資格を保持している状況です。資格取得=即開業・即収入ではない、という点は押さえておく必要があります。

行政書士全体の難易度・年収・将来性についてより詳しく知りたい方はこちらの記事で解説しています。

在宅開業としての行政書士の可能性

書類作成業務は自宅で完結しやすい

ママワークス「行政書士って在宅で仕事ができるの?仕事内容や資格について紹介します!」では、行政書士の業務の中心である書類作成については「ほぼ100%在宅ワークでこなせます」と説明されています。市役所・県庁への許可申請書類の作成や、遺言書・相続関係図といった終活関連業務など、パソコンと専門知識があれば進められる仕事が多いことが、在宅ワークとの相性の良さにつながっています。

ただし「完全在宅」ではない点に注意

一方で同記事は「市役所や公証役場には直接出向いていかなくてはいけませんし、顧客との打ち合わせも外で行われることが多い」とも指摘しています。書類作成そのものは自宅でできても、役所への提出や顧客との面談まですべてオンラインで完結するわけではありません。「完全在宅」を期待して開業すると、想定より外出が多いと感じる可能性があります。

自宅開業の実態と条件

士業Webマーケティングの教科書「行政書士の6割が自宅開業。間取りや条件、レイアウト例を徹底解説」では、SNS上のアンケート結果として「独立開業する行政書士の6割が自宅開業」というデータが紹介されています(公式統計ではなく非公式調査である点に注意してください)。自宅開業のメリットとしては事務所家賃(年間60万〜100万円程度)の削減や通勤時間の解消が挙げられる一方、行政書士カレッジ「行政書士が自宅事務所で開業する際のメリット・デメリット」では、事務所所在地が日本行政書士会連合会のホームページで公表されるため自宅住所が公開されること、賃貸物件の場合は事務所使用について大家の承諾書が必要になることなどのデメリットも解説されています。事務所として登録するには「業務上の秘密を保持しうる」明確な区分(生活スペースとの仕切り)が必要で、ダイニングと一体型のリビングなどは原則として認められません。

業務分野の選び方——在宅完結しやすい分野を選ぶ

行政書士が扱える業務は1万種類以上ともいわれますが、育児と両立しながら在宅中心で進めやすい分野と、対面・現地対応が多く発生しやすい分野があります。

相続・遺言関連業務

STUDYing「行政書士が担当できる相続手続き業務。司法書士とはここが違う!」によると、行政書士は遺言書作成のアドバイス・サポート、相続人や財産の調査、遺産分割協議書の作成、相続関係図・法定相続情報一覧図の作成、銀行預金や自動車の名義変更手続きなどを担当できます。書類の下調べや作成はパソコン作業が中心になりやすい分野です。ただし、不動産の相続登記や相続放棄の申述書作成は司法書士・弁護士の業務であり、行政書士は対応できません。相続税申告は税理士の独占業務、争いのある遺産分割は弁護士の業務です。業際(業務範囲の境界)を誤ると非弁行為・非司行為になるため、他士業との連携を前提に業務範囲を正しく理解しておく必要があります。

契約書作成関連業務

契約書のレビュー・作成サポートも、打ち合わせをオンライン化しやすく在宅と相性の良い分野の一つです。ただし契約書業務は税理士・弁護士など他士業や、フリーランス向け契約書作成サービスとの競合も多く、専門分野・強みの明確化が集客のカギになります。この分野特有の成功パターンを示す統計データは見つからず、不明です。

対面・現地対応が多い分野には注意

一方、建設業許可や飲食店営業許可、外国人の在留資格申請といった許認可業務は、役所窓口とのやり取りや現地確認、顧客との対面相談が発生しやすく、在宅完結は難しい傾向があります。育児中で外出時間を確保しにくい場合は、こうした分野を主軸にするかどうか、開業前に見極めておくことが重要です。

独学と通信講座のどちらで学習を進めるか迷っている方はこちらの比較記事も参考にしてください。

家事・育児と両立する学習法——500〜1,000時間をどう確保するか

アルクの資格比較「【2026年最新】行政書士の勉強時間は800時間?独学・通信講座別の目安と科目別スケジュールを徹底解説」によると、行政書士試験の学習時間の目安は、独学で800〜1,000時間以上(学習期間10〜12ヶ月)、通信講座利用で500〜600時間(6〜8ヶ月)、予備校通学で600〜800時間(8〜10ヶ月)とされています。法学部出身者はこれより300時間程度短縮できる場合があるものの、法律未学習の方にとっては、独学よりも通信講座の方が学習時間を圧縮しやすい選択肢といえます。

体験談に見る、育児中の学習スケジュール

クレアール行政書士試験通信講座「合格体験記『育休中に4ヶ月で1発合格!!』H.Yさん」の体験談では、地方公務員として働きながら7月に学習を開始し、9月から育休に入った方が、7〜9月は平日2時間・休日5時間、育休期間中は毎日5時間程度の学習時間を確保して1回で合格しています。同記事では「家族がいる方は勉強を始めるタイミング、やり方をよく家族と相談してください」というアドバイスが紹介されています。

またはるもんど「育休中に勉強はできない?私は行政書士に合格しました!」の体験談では、第一子の産休・育休中に学習し合格した方が、「最短6ヶ月」と言われる試験に対して1年前から準備を始め、通勤時間や子どもの昼寝時間などのすき間時間、通信講座のeラーニングを活用したことが紹介されています。同記事は、1〜2時間おきの授乳やおむつ替えが続く中での睡眠不足が最大の課題だったとも述べており、育児中の学習は「まとまった時間」より「すき間時間の積み重ね」が現実的であることがうかがえます。

これらはいずれも個人の体験談であり、全ての主婦・育児中の方に同じ学習ペースが再現できるとは限りません。特に乳児期は体調・家庭状況によって学習時間の確保が大きく変動するため、「〇ヶ月で必ず合格できる」という保証はない点に注意してください。

教育訓練給付金の対象となる通信講座についてはこちらの記事でまとめています。受講費用の一部が戻ってくる制度を使えば、家計への負担を抑えながら学習を始められます。

体験談・実例

  • がはらさん(note):2歳児を自宅保育中に受験を決意。合格後もすぐには開業せず、パート勤務を続けながら将来の選択肢として資格を保持しています(出典)。
  • H.Yさん(クレアール):地方公務員として勤務しながら妊娠を機に学習を開始し、育休中に1回で合格しました(出典)。
  • はるもんど筆者:産休・育休中に1年がかりで学習し合格。すき間時間の活用と家族の協力が鍵になったと振り返っています(出典)。

いずれの体験談にも共通するのは、「資格取得はゴールではなく、その後の働き方(就職・開業・保持のみ)まで含めて考えている」という点です。合格後にどう資格を使うかまで見据えて学習計画を立てることが、遠回りを避けるポイントといえます。

将来性——資格取得後の現実的な収入イメージ

行政書士の平均年収は、厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」のデータを紹介するSTUDYing「女性行政書士の年収は平均いくら?活躍できる行政書士になるには」によると591万円とされています。同記事は、女性行政書士に限った公式統計は存在しないとしたうえで、給与額の分布は「20万円台〜30万円前半が中心」で、雇用形態や独立開業の有無、専門分野によって年収の幅が大きいと解説しています。

働き方 特徴 年収イメージ
行政書士事務所・企業に雇用(正社員) 安定した収入。実務経験を積みやすい 月給20万円台〜30万円前半が中心(年収250万〜400万円程度が目安)
独立開業(フル稼働・営業に力を入れる) 業務量・専門性次第で幅が大きい。集客力が収入を左右する 全体平均591万円(開業直後はこれを下回るケースも多い)
在宅・時短で業務を絞った開業(育児と両立重視) 稼働時間が限られる分、案件数も限定的になりやすい 公式統計なし(不明)。件数課金制の業務が中心のため、稼働が少なければ収入も比例して少なくなると考えられる(推測)

※この表は、複数の出典記事の統計・解説を組み合わせた目安であり、行政書士全体または女性行政書士のみを対象とした単一の公式年収統計ではありません。特に「在宅・時短で業務を絞った開業」の収入水準を示す公的統計データは見つからず、不明です。実際の収入は専門分野、営業力、地域の需要によって大きく変動します。

リスクも正直に

行政書士は「取得すれば安定収入が得られる」資格ではありません。開業しても営業活動や集客の仕組みがなければ、案件は自然には集まりません。育児中で稼働時間を確保しにくい場合、フル稼働の同業者と比べて案件獲得で不利になる可能性もあります。また学習面でも、乳幼児期の育児と両立しながら500〜1,000時間規模の学習を継続すること自体が、家庭状況によっては大きな負担になり得ます。「資格を取れば人生が変わる」という前提ではなく、「学習時間の確保」と「開業後の集客戦略」の両方を具体的に計画できるかどうかで判断することをおすすめします。

よくある質問

Q行政書士は子育て中の主婦でも本当に取得できますか?
取得は可能です。行政書士試験には年齢・学歴・国籍による受験制限がなく、合格すれば資格は生涯有効です。ただし学習には500〜1,000時間規模の時間が必要とされており、育児中は「まとまった時間」より通勤時間や子どもの昼寝時間などのすき間時間の積み重ねが現実的な学習法になります。
Q独学と通信講座、どちらが育児中の学習に向いていますか?
学習時間の目安は独学が800〜1,000時間以上、通信講座が500〜600時間とされ、通信講座の方が学習時間を圧縮しやすい傾向があります。まとまった学習時間を取りにくい方は、通信講座で学習範囲と時間配分をあらかじめ絞り込む方法が現実的です。独学と通信講座の詳しい比較はこちらの記事で解説しています。
Q行政書士は在宅だけで仕事が完結しますか?
書類作成業務はほぼ在宅でこなせますが、市役所・公証役場への訪問や顧客との対面での打ち合わせが発生することも多く、完全に在宅で完結するわけではありません。「在宅中心」の働き方は目指せても、「完全在宅」を前提に開業を考えると想定外の外出負担を感じる可能性があります。
Q在宅で開業した場合、どれくらいの収入が見込めますか?
行政書士全体の平均年収は591万円という統計がありますが、在宅・時短で業務を絞った開業に限定した公的な収入統計は見つかっておらず、不明です。件数課金制の業務が中心のため、稼働時間や案件数が少なければ収入もそれに比例して少なくなると考えられます(推測)。
Q産休・育休中に資格を取得するメリットはありますか?
産休・育休期間は日中にまとまった学習時間を確保しやすいというメリットがある一方、実際の体験談でも「1〜2時間おきの授乳・おむつ替え」による睡眠不足が課題として挙げられています。家族の協力体制を事前に相談し、無理のないスケジュールを組むことが重要です。
Q自宅を事務所として登録するにはどんな条件がありますか?
事務所として登録するには、生活スペースと業務スペースを明確に区分し、業務上の秘密を保持できる環境を整える必要があります。ダイニングと一体型のリビングなどは原則として認められません。また事務所所在地は行政書士会連合会のホームページで公表されるため自宅住所が公開される点や、賃貸の場合は事務所使用について大家の承諾が必要になる点にも注意が必要です。

※本記事は2026年8月時点の情報に基づきます。

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