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結論から言うと、行政書士試験の合格率は近年10〜15%前後で推移し、司法書士や社労士より易しく宅建士より難しい「中堅国家資格」に位置づけられます。年収は雇われの場合250万〜600万円程度、独立開業の場合は200万円未満から1000万円超まで個人差が非常に大きいのが実情です。将来性については、単純な定型書類作成業務はAI・オンライン化の影響を受ける一方、許認可要件の判断や相談業務、専門分野への特化によって需要が続くと見る専門家が多いというのが現時点での大方の見方です。以下、公的データと信頼できるメディアの情報をもとに、難易度・年収・将来性の3つの観点から詳しく解説します。
行政書士試験の難易度
直近5年の合格率推移
行政書士試験の合格率は年度によって変動があります。アガルート「行政書士試験の合格率は?2026年最新の受験者数・合格者数の推移も解説!」によると、直近5年間の受験者数・合格者数・合格率は以下の通りです。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和7年度(2025年度) | 50,163名 | 7,292名 | 14.54% |
| 令和6年度(2024年度) | 47,785名 | 6,165名 | 12.90% |
| 令和5年度(2023年度) | 46,991名 | 6,571名 | 13.98% |
| 令和4年度(2022年度) | 47,850名 | 5,802名 | 12.13% |
| 令和3年度(2021年度) | 47,870名 | 5,353名 | 11.2% |
受験者数は毎年47,000〜50,000名程度で安定している一方、合格率は11〜15%の間で変動しています。行政書士試験は受験者同士で順位を競う相対評価ではなく、法令等科目・一般知識等科目それぞれで基準点を超え、かつ合計得点が一定基準(原則300点満点中180点)を超えれば合格できる絶対評価型の試験です。そのため、その年の問題の難易度によって合格率が上下しやすい特徴があります。
合格に必要な勉強時間の目安
アガルート「行政書士試験合格に必要な勉強時間は?何ヶ月かかる?他資格と比べた難易度も解説」によると、行政書士試験の合格に必要な勉強時間は、法律の学習経験がある人や通信講座を活用する人で500〜600時間、独学者や初学者では800〜1000時間以上が目安とされています。平均的な学習期間はおよそ8.6ヶ月とされ、半年〜1年程度をかけてコツコツ学習を積み重ねる人が多いことがうかがえます。
独学と通信講座のどちらで学習を進めるかによっても必要な時間や挫折リスクは変わってきます。この点は「行政書士は独学と通信講座どちらがいいか」を比較した記事で詳しく整理していますので、あわせて参考にしてください。
他資格との難易度比較
同じくアガルートの記事では、行政書士試験と代表的な他資格の合格率・必要勉強時間が比較されています。
| 資格 | 合格率の目安 | 必要勉強時間の目安 |
|---|---|---|
| 宅地建物取引士(宅建士) | 15〜16% | 300〜400時間 |
| 行政書士 | 9〜15% | 500〜1000時間 |
| 社会保険労務士(社労士) | 5〜7% | 1000時間 |
| 中小企業診断士 | 4〜8% | 1000時間 |
| 司法書士 | 3〜5% | 3000時間 |
この比較から、行政書士は宅建士より難易度が高く、社労士や司法書士よりは易しい「中堅の法律系国家資格」と位置づけられることが分かります。試験範囲が民法・行政法・商法・会社法・一般知識と幅広く、記述式問題も出題されるため、暗記だけでなく応用力も問われる点が難易度を押し上げる要因とされています。
行政書士の年収・待遇
行政書士全体の平均年収
アガルート「行政書士の年収の現実は?平均年収・雇われ給料・報酬額の例も紹介」によると、厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、令和6年の行政書士の平均年収は591万円と公表されています。ただし、この数値には雇われ行政書士と独立開業者が混在しており、実際の中央値は400万円台とされ、個人差が大きい点に注意が必要です。この591万円という数値について、行政書士事務所ナルコのコラム「行政書士の年収は本当に591万円?独立開業の現実と1000万円への道」では、行政書士全体の多くが独立開業しており、雇用型のデータが中心の統計は実態を反映しきれていない可能性がある、という指摘もされています(この点は業界統計として一次資料で裏付けを確認できておらず、あくまで同コラムの見解として紹介します)。
雇われ行政書士の給与水準
アガルートの同記事によれば、雇われ行政書士の給与水準は次のように紹介されています。
| 区分 | 目安 |
|---|---|
| 1年目(未経験) | 月収20万円程度、年収250万円前後が目安 |
| ハローワーク求人統計(令和5年度) | 全国の求人賃金は月額26.9万円 |
| 5年目以降(経験・能力による) | 年収600万円以上に到達するケースもある |
独立開業した場合の収入レンジ
マネーフォワード クラウド会社設立「行政書士の独立開業後の平均年収は?収入の実態や開業費用、成功する稼ぎ方を解説」では、独立行政書士の年収は平均600万円程度とされる一方、実際は「200万円未満から1000万円超まで」と非常に幅広く分布していると紹介されています。開業して1〜2年は集客が難しく年収200万円未満にとどまる例も多い一方、建設業許可や入管業務など高単価分野に専門特化し、紹介・リピート中心の顧客基盤を構築できた行政書士は年収1000万円を超えるケースもあるとされています。
前掲の行政書士事務所ナルコのコラムでは、高単価業務の報酬例として、知的資産経営報告書作成が1件あたり約67万円、医療法人設立認可が約56万円、建設業許可(新規)が10万〜15万円といった水準が紹介されており、こうした高単価業務を年間10〜20件受注できれば年収1000万円という計算も成り立つとしています。つまり、行政書士の年収は「資格を取っただけ」で決まるものではなく、専門分野の選び方や集客力によって大きく変動するということです。開業を目指す場合、どの講座・スクールで実務に直結する知識を身につけるかも重要な判断材料になります。講座選びで迷う場合は行政書士講座会社の比較記事も参考にしてください。
行政書士の将来性
許認可申請のオンライン化・AI化の影響
行政のデジタル化に伴い、一部の許認可申請はオンラインで自分で手続きできるようになりつつあります。inner-consulting「行政書士の仕事がなくなると言われる理由|本当に将来性はないのか」によれば、電子化が進んでいるのはあくまで申請の「入口」部分であり、どの許認可要件に該当するかの判断や書類設計そのものは依然として専門知識を要するとされています。一方で、ChatGPTなどの生成AIは定型的な書類作成において高い精度を達成しつつあるとも指摘されており、車庫証明のような定型業務では代行報酬が1万円から5,000円以下へ下落するなど、価格競争が進んでいる分野があることも紹介されています。
同記事では、全国に約5万人の行政書士が登録されており、毎年4,000〜5,000人規模で新規登録者が参入している一方、仕事量が同じペースで増えているわけではないため、資格者間の競争が激化している点も将来性を考えるうえでの重要な要素として挙げられています。
今後も必要とされる業務
ユーキャン「行政書士に将来性はあるのか?AI時代の今、就職・転職・給料アップを目指す人向けに徹底解説」では、行政書士が取り扱う書類の種類は10年前の約7,000種類から現在は1万種類以上に増加しており、業務範囲はむしろ拡大傾向にあると紹介されています。また、依頼者との相談対応やヒアリングを通じた最適な手続きの提案は「人とのコミュニケーションが必要な業務」であり、機械的な代替が難しい領域とされています。
具体的に将来性が見込まれる分野としては、外国人労働者の増加に伴う入管業務、高齢化を背景とした相続・遺言関連業務、企業の資金調達を支援する補助金・助成金申請支援などが挙げられています。とくに補助金申請支援は専門性が問われる分野であり、教育訓練給付金の対象となる行政書士講座をまとめた記事もあわせてチェックすると、学習コストを抑えながらこうした専門分野の知識を身につける選択肢が見えてきます。
まとめると、行政書士という資格そのものがAIやオンライン化によって不要になる、と断定できる根拠は今回の調査では見当たりませんでした。ただし、定型的で判断の余地が少ない業務は価格競争にさらされやすく、逆に専門分野への特化や相談対応力を武器にできる行政書士は、今後も一定の需要を維持できる可能性が高いというのが、複数の情報源に共通する見方です。
よくある質問
※本記事は2026年8月時点の情報に基づきます。
あわせて読みたい
本格的に学ぶなら、通信講座も選択肢です
「行政書士」を独学だけで進めるのが不安な方は、アガルートの講座も比較検討してみてください。無料の資料請求・詳細確認から始められます。
もう1社比べるなら
LEC東京リーガルマインドは全国に学習センターがあり、通学とWeb通信を選べます。教育訓練給付の対象講座もあります。


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