結論からいうと、ITパスポートの通信講座で教育訓練給付金(一般教育訓練・給付率20%)の対象として現時点(2026年8月)で確認できたのは、ユーキャンの「ITパスポート資格取得講座」のみです。
教育訓練給付金とは(制度の基本・3区分の違い)
教育訓練給付金は、雇用保険の加入期間などの条件を満たす人が、厚生労働大臣指定の講座を受講・修了した場合に、支払った受講料の一部がハローワークから支給される制度です。対象講座は「一般教育訓練」「特定一般教育訓練」「専門実践教育訓練」の3区分に分かれており、区分によって給付率・上限額・対象となる資格の傾向が大きく異なります。
| 区分 | 給付率 | 給付上限額 | 対象となりやすい資格・講座の例 |
|---|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 受講料の20% | 年10万円(4,000円以下は不支給) | 簿記、宅地建物取引士、税理士、社会保険労務士、Webクリエイター、CAD利用技術者試験、TOEICなど |
| 特定一般教育訓練 | 最大50%程度 | 上限25万円 | 介護職員初任者研修、ケアマネジャー、大型自動車第一種・第二種免許など |
| 専門実践教育訓練 | 最大80%程度 | 年間64万円(最大3年間で192万円) | 介護福祉士、看護師、保育士、社会福祉士、美容師、歯科衛生士、MBAなど |
特定一般教育訓練・専門実践教育訓練の給付率には、資格取得後に雇用された場合の加算など細かい条件があります。正確な適用条件は必ずハローワークで確認してください。
ITパスポート講座は給付金対象になる?
調査の結果、ITパスポート講座を教育訓練給付金の対象として明記していたのは、大手通信講座の中ではユーキャンのみでした。ユーキャン公式サイトの「教育訓練給付金対象講座一覧」(2026年4月1日現在)には29講座が掲載されており、その中に「ITパスポート」が含まれています。区分は一般教育訓練(給付率20%)です。
一方、スタディング・フォーサイト・キャリカレの3社については、各社のITパスポート講座ページおよび教育訓練給付制度の案内ページを確認しましたが、ITパスポート講座が給付金対象であるという記載は見つかりませんでした。スタディングの対象講座一覧には「基本情報技術者」「応用情報技術者」「ITストラテジスト」は含まれているものの、「ITパスポート」自体は含まれていません。フォーサイト・キャリカレのITパスポート講座ページにも給付金制度に関する記載はありませんでした。ITパスポートは他資格に比べて受講料が安価かつ短期間で取得できる講座が多く、そもそも給付金制度の対象講座として指定されにくい資格である可能性があります(推測)。この点については各社の最新の指定状況が変わる場合があるため、必ず公式サイトまたはハローワークで確認してください。
給付金の対象条件
- 在職者の場合:雇用保険の被保険者期間が通算3年以上(初めて教育訓練給付金を受給する場合は1年以上)であること
- 離職者の場合:離職日の翌日から受講開始日までが原則1年以内であり、かつ離職前に上記の被保険者期間を満たしていること
- 厚生労働大臣が指定する講座であること(講座ごとに指定の有無が異なるため個別確認が必須)
- 受講開始日時点で上記の受給資格要件を満たしていること
- 過去に教育訓練給付金を受給したことがある場合は、前回の受給から一定期間(原則3年)が経過していること
正確な受給資格の有無は、受講開始前に必ずハローワークの窓口で確認する必要があります。
ITパスポートで給付金対象の講座一覧(比較表)
| 講座名 | 給付金区分 | 受講料(一括) | 給付率 | 給付金額(目安) | 実質負担額(目安) |
|---|---|---|---|---|---|
| ユーキャン「ITパスポート資格取得講座」 | 一般教育訓練 | 26,000円(税込・分割は2,680円×10回) | 20% | 5,200円 | 20,800円 |
| スタディング「ITパスポート合格コース」 | 対象外(確認できず) | 8,500円〜(コースにより変動) | ― | ― | 受講料全額 |
| フォーサイト「ITパスポート スピード合格講座」 | 対象外(確認できず) | 16,800円 | ― | ― | 受講料全額 |
| キャリカレ「ITパスポート合格指導講座」 | 対象外(確認できず) | 40,150円(キャンペーン特別価格) | ― | ― | 受講料全額 |
受講料は各社公式サイトで2026年8月時点に確認できた表示価格です。キャンペーン価格・割引条件により変動するため、最新価格は必ず公式サイトでご確認ください。給付金額は受講料20%(上限10万円、下限4,000円)で単純計算した目安であり、実際の支給額はハローワークの審査結果によります。
給付金の申請方法・流れ
- 受講を検討している講座が教育訓練給付金の対象講座か、各スクールの公式サイトまたはハローワークの検索システムで確認する
- ハローワークの窓口で、自分が雇用保険の受給資格要件(被保険者期間など)を満たしているか事前に確認する
- 対象講座に申し込み、受講料を支払って受講を開始する
- 講座を修了し、スクールから「教育訓練修了証明書」などの必要書類を受け取る
- 受講修了日の翌日から原則1か月以内に、住所を管轄するハローワークへ「教育訓練給付金支給申請書」「教育訓練修了証明書」「領収書」「本人確認書類」「雇用保険被保険者証」などを提出する
- ハローワークの審査後、指定した口座に給付金が振り込まれる(一般教育訓練の場合、申請からおおむね1か月程度が目安)
給付金を使う際の注意点
- 受講開始前に受給資格の確認をしていないと、修了後に申請しても給付を受けられない場合がある
- 教育訓練給付金の対象講座は随時見直されるため、申込み時点で最新の指定状況を公式サイト・ハローワークで確認する必要がある
- 受講料が実質無料になるわけではなく、いったん全額を自己負担で立て替え、修了後に一部が還付される仕組みである
- 給付率20%で計算した金額が4,000円を超えない場合は支給されない
- 申請期限(原則、修了日の翌日から1か月以内)を過ぎると給付を受けられなくなる
- スクール・コースが変更・廃止になると、給付金対象から外れることがある(過去に対象だった講座が非対象になるケースもある)
給付金以外で費用を抑える方法(独学との比較)
ITパスポートはもともと国家資格の中でも難易度が低く、受講料自体が数千円〜数万円程度と比較的安価な講座が多い資格です。教育訓練給付金の対象講座がユーキャンに限られる現状では、給付金の有無だけでスクールを選ぶより、次のような費用対効果の比較も重要になります。
- 独学(市販テキスト+問題集):費用は2,000円〜5,000円程度に抑えられるが、学習計画の管理やモチベーション維持を自分で行う必要がある
- 給付金対象外の安価な通信講座(スタディング・フォーサイトなど):受講料自体が1万円台〜と安く、給付金がなくてもユーキャンの実質負担額(20,800円)を下回るケースがある
- 給付金対象のユーキャン講座:受講料は26,000円とやや高めだが、給付金適用後の実質負担額は20,800円となり、サポート体制(添削指導など)を重視する人には選択肢になり得る
つまり、給付金の20%だけを目的にスクールを選ぶと、そもそも受講料が安い他社講座より総支払額が高くなる場合があります。自分の受給資格の有無や、教材・サポート内容とのバランスを見て総合的に判断することをおすすめします。
※本記事の内容は2026年8月時点でWeb検索により確認できた各スクールの公式サイト等の情報に基づいています。教育訓練給付金の対象講座・給付率・受講料・キャンペーン内容は変更される場合があります。実際に受講・申請を検討する際は、必ず各スクールの公式サイトおよび最寄りのハローワークで最新情報をご確認ください。
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他の資格の給付金対象講座もまとめて確認したい場合は、教育訓練給付金で取れる資格12選|給付率20〜80%の区分と実質負担の考え方から探せる。
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