宅建士(宅地建物取引士)の通信講座には、受講料の20%(上限10万円)が受講後に戻ってくる「教育訓練給付金」の対象講座が複数ある。フォーサイト・ユーキャン・LECなどの実例をもとに、対象講座・条件・申請方法を整理する。
教育訓練給付金とは?3つの区分をおさらい
教育訓練給付金は、雇用保険の加入者(または加入していた人)が、厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講・修了した場合に、受講料の一部がハローワークから支給される制度である。給付金には次の3区分があり、対象となる講座や給付率が異なる(出典:厚生労働省「教育訓練給付金 手続きの流れ」、教育訓練給付金.JP)。
- 一般教育訓練給付金:受講料の20%(上限10万円)。4,000円を超えない場合は支給されない。事前の手続きは原則不要。
- 特定一般教育訓練給付金:受講料の40%(上限20万円)。ITスキルなど、特にキャリアアップ効果が高いとされる講座が対象で、受講開始前にハローワークでのキャリアコンサルティングなどの事前手続きが必要。
- 専門実践教育訓練給付金:基本は受講料の50%。修了後1年以内に資格を取得して一般被保険者として就職した場合は70%、さらに賃金が5%以上上昇した場合は80%まで段階的に引き上げられる。看護師や介護福祉士など、長期の専門課程を対象とすることが多い。
宅建講座は給付金対象になる?
今回、フォーサイト・ユーキャン・LEC東京リーガルマインドの公式サイトを確認した限りでは、いずれの宅建講座も対象となっているのは「一般教育訓練給付金」(20%、上限10万円)のみだった(出典:フォーサイト「教育訓練給付制度について」、ユーキャン「教育訓練給付金(一般教育訓練)について」、LEC「一般教育訓練給付金」各公式ページ)。
宅建士講座が特定一般教育訓練給付金(40%)や専門実践教育訓練給付金(最大80%)の指定を受けているケースがあるかどうかは、今回の調査範囲では確認できなかった。推測:宅建士は独占業務資格ではあるものの、専門実践教育訓練給付金が主に想定する「長期の専門課程を経て取得する国家資格」(看護師・社会福祉士など)とは性質が異なるため、対象区分に指定されにくい可能性がある。ただし断定はできないため、最新の指定状況は後述の検索システムで必ず確認してほしい。
給付金の対象条件(雇用保険加入期間など)
一般教育訓練給付金を受け取るには、主に次の条件を満たす必要がある(出典:厚生労働省、LEC「一般教育訓練給付金」)。
- 受講開始日時点で、雇用保険の被保険者(在職者)または被保険者であった人(離職者)であること
- 雇用保険の被保険者期間が通算3年以上あること(初めて給付金を受給する場合は1年以上でよい)
- 離職者の場合、離職日の翌日から受講開始日までが原則1年以内であること(妊娠・出産・育児・疾病などの事情がある場合は、申請により最大20年まで延長できる制度がある)
- 過去に教育訓練給付金を受給したことがある場合は、前回の受給から3年以上、新たに被保険者期間を積んでいること
正確に自分が受給対象かどうかは、ハローワークで「教育訓練給付金支給要件照会票」により事前に確認できる。
宅建で給付金対象の講座一覧
2026年8月時点で公式サイト等から確認できた、宅建士の一般教育訓練給付金対象講座の例は以下の通り。受講料や対象コースは変更される可能性があるため、必ず各社の最新ページで確認すること。
| 講座名(提供会社) | 給付金区分 | 受講料(税込) | 給付金適用後の実質負担額 | 給付率 |
|---|---|---|---|---|
| 宅建士講座 バリューセット1〜3(フォーサイト) | 一般教育訓練給付金 | 59,800円〜69,800円 | 47,840円〜55,840円 | 20%(上限10万円) |
| 宅地建物取引士講座(ユーキャン) | 一般教育訓練給付金 | 64,000円 | 51,200円 | 20%(上限10万円) |
| 宅建士講座 パーフェクト主義者コース(LEC東京リーガルマインド) | 一般教育訓練給付金 | 159,500円 | 約127,600円(20%適用時の計算値) | 20%(上限10万円) |
| パススル宅建士(資格の大原) | 一般教育訓練給付金 | 42,000円(第三者比較サイト調べ・要最新確認) | 33,600円(同上) | 20%(上限10万円) |
※フォーサイトのバリューセット3(69,800円)の実質負担額55,840円は公式サイトに明記されている数値。それ以外の実質負担額は、確認できた受講料に20%の給付率を当てはめた計算値であり、実際の給付額は講座の指定内容やその時点の受講料によって変わる場合がある。特にLECと大原については、給付金額そのものが公式ページに明記されていなかったため、参考値として扱ってほしい。(出典:フォーサイト「宅建通信講座 受講料・お申込み」、ユーキャン「宅地建物取引士講座 費用について」、LEC「宅地建物取引士の対象講座」、資格の大原「宅建士 コース一覧」)
給付金の申請方法・流れ
一般教育訓練給付金は、専門実践教育訓練給付金などと異なり、受講前の複雑な事前手続きが不要な点が特徴である(出典:厚生労働省「教育訓練給付金 手続きの流れ」)。
- 講座に申し込む:申込時に「教育訓練給付制度を利用する」旨を選択する講座が多い。対象講座であることを、指定番号などで事前に確認しておく。
- 受講・修了する:講座によっては、確認テストで一定の得点(例:80点以上)を取るなど、修了の要件が定められている。
- 修了証明書などを受け取る:受講修了後、学校側から「教育訓練修了証明書」「領収証(またはクレジット契約証明書)」などの書類が発行・送付される。
- ハローワークで支給申請する:受講修了日の翌日から起算して原則1か月以内に、住居所を管轄するハローワークへ「教育訓練給付金支給申請書」などの必要書類を提出する。
- 給付金が振り込まれる:審査後、指定した口座に給付金が振り込まれる。
必要書類は、支給申請書・教育訓練修了証明書・領収証のほか、本人確認書類やマイナンバー確認書類、雇用保険被保険者証などが一般的に求められる(推測:詳細は講座やハローワークにより異なる可能性があるため、必ず管轄のハローワークに確認すること)。
給付金を使う際の注意点
- 申請期限を過ぎると原則もらえない:修了日の翌日から1か月以内という期限があるため、受講後は早めに手続きすること。
- 講座・コースによって対象外の場合がある:同じ会社・同じ資格でも、Web版か冊子版か、通信か通学かなど、コースによって指定の有無が異なることがある。
- 先に受講料を全額支払う必要がある:給付金は「後から戻ってくる」制度であり、申込時点で割引されるわけではない(キャンペーン割引とは別枠)。
- 在職者・離職者で条件が異なる:特に離職者は、離職から受講開始までの期間や被保険者期間の要件を満たしているか、事前にハローワークで確認したほうがよい。
- 制度・指定講座は変更される:指定講座や給付率は見直されることがあるため、申込直前に必ず最新情報を確認すること。
給付金以外で費用を抑える方法
独学であれば、教材費だけで済むため、通信講座より初期費用を抑えられる可能性がある。ただし、独学の場合は法改正情報のフォローやスケジュール管理、質問対応などを自分で行う必要があり、講座と比べた場合の合格率の差については、本記事で確認できる裏付けのある数値は「不明」である。教育訓練給付金の対象講座を選べば、通信講座の手厚いサポート(映像講義・質問対応・法改正対応など)を受けながら、結果的に独学に近い実質負担額まで下げられる場合がある、という考え方もできる。費用だけでなく、自分に合った学習スタイルかどうかも踏まえて選ぶことが望ましい。
※本記事の内容は2026年8月時点の調査に基づくものです。教育訓練給付金の対象講座・受講料・給付率は変更される場合があるため、お申し込みの前に必ず厚生労働省・各講座提供会社・管轄のハローワークで最新情報をご確認ください。
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他の資格の給付金対象講座もまとめて確認したい場合は、教育訓練給付金で取れる資格12選|給付率20〜80%の区分と実質負担の考え方から探せる。
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本格的に学ぶなら、通信講座も選択肢です
「宅建士(宅地建物取引士)」を独学だけで進めるのが不安な方は、アガルートの講座も比較検討してみてください。無料の資料請求・詳細確認から始められます。
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LEC東京リーガルマインドは全国に学習センターがあり、通学とWeb通信を選べます。教育訓練給付の対象講座もあります。


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