国家資格キャリアコンサルタント試験の合格率は、直近の第32回(2026年7月5日実施)で学科54.8%・実技61.7%でした。学科は前回の80.6%から26ポイント下がっています。ただし過去には学科20%台の回もあり、回ごとの振れ幅が大きいのがこの試験の特徴です。この記事では、直近8回の合格率推移、2団体の違い、合格基準、落ちる人に共通する原因を、公表データで整理します。
結論:難易度は「毎回変わる」。学科は当たり外れがあり、実技は安定して6割台
合格率だけを見て「簡単」「難しい」と判断すると、受験の計画を誤ります。数字の性質を先に押さえてください。
- 学科は回による差が非常に大きい:直近8回で最低54.8%、最高80.6%。過去には20%台の回もある
- 実技は安定している:直近8回はすべて61〜68%の範囲に収まっている
- 同時受験では両方に合格する必要がある:第32回の数字で単純計算すると0.548×0.617=約34%
つまり、実技は準備量が結果に直結し、学科は「難しい回に当たるリスク」を想定して余裕をもって仕上げるのが現実的な戦略になります。
直近8回の合格率推移(全体)
キャリアコンサルタント試験は、日本キャリア開発協会(JCDA)とキャリアコンサルティング協議会の2団体が実施しています。次の表は両団体を合わせた全体の合格率です。
| 回次 | 学科 | 実技 |
|---|---|---|
| 第25回 | 63.7% | 66.5% |
| 第26回 | 65.5% | 62.2% |
| 第27回 | 59.7% | 67.4% |
| 第28回 | 68.4% | 67.7% |
| 第29回 | 72.7% | 64.3% |
| 第30回 | 77.6% | 64.1% |
| 第31回 | 80.6% | 64.6% |
| 第32回(2026年7月5日) | 54.8% | 61.7% |
学科は第28回から第31回にかけて68%→80%と上がり続けたあと、第32回で54.8%まで落ちました。直前3回の高い合格率を基準に勉強量を決めていた人ほど、第32回で影響を受けたと考えられます(推測:合格率の変動要因は公表されていません)。
第32回の内訳|団体別の受験者数と合格率
学科試験は2団体で共通問題ですが、実技試験(論述・面接)は団体ごとに内容が異なります。第32回の結果は次のとおりです。
| 団体 | 試験 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| キャリアコンサルティング協議会 | 学科 | 2,872人 | 1,568人 | 54.6% |
| 実技 | 3,435人 | 2,072人 | 60.3% | |
| 日本キャリア開発協会(JCDA) | 学科 | 932人 | 518人 | 55.6% |
| 実技 | 999人 | 664人 | 66.5% |
学科はほぼ同じ(54.6%と55.6%)ですが、実技には6.2ポイントの差があります。実技の内容が団体ごとに違うためです。ただし年度によって有利な団体が入れ替わるため、「合格率が高いほうを選ぶ」という基準は機能しません。受験する団体は、通う養成講習の系列や、面接の評価軸との相性で選ぶのが現実的です。
2団体の実技の違い(要点)
- JCDA:「経験代謝」の考え方が土台。相談者の自己概念に焦点を当てる進め方が評価されやすい
- キャリアコンサルティング協議会:システマティック・アプローチが土台。関係構築から問題把握、目標設定までの流れが重視される
どちらも国家資格として同じ資格が得られます。合格後の資格に違いはありません。
合格基準と受験手数料
| 学科試験 | 100分・100点満点。70点以上で合格 |
|---|---|
| 実技試験 | 150点満点。90点以上で合格(論述+面接)。ただし論述が満点の40%未満、または面接の評価区分のいずれかが40%未満の場合は不合格 |
| 面接の形式 | 20分(ロールプレイ15分+口頭試問5分) |
| 受験手数料 | 学科 8,900円/実技 29,900円(同時受験で計38,800円) |
注意したいのは実技の下限規定です。合計90点に届いていても、論述が40%未満、または面接の評価区分のいずれかが40%未満だと不合格になります。合計点を狙うのではなく、どれも落とさない準備が必要です。
過去にはもっと低い回もあった|学科20%台の回
「第32回の54.8%が過去最低」と紹介されることがありますが、これは直近の回に限った話です。制度開始からの全期間で見ると、さらに低い回があります。
| 回次 | 学科(協議会) | 学科(JCDA) |
|---|---|---|
| 第4回 | 23.5% | 19.7% |
| 第9回 | 28.8% | 32.1% |
| 第17回 | 55.9% | 58.0% |
| 第21回 | 63.0% | 59.7% |
第4回は5人に1人しか受からなかった回です。直近の合格率が高くても次の回で急に下がることが実際に起きています。「前回が80%だったから大丈夫」という読み方はしないでください。
落ちる人に共通する3つの原因
1. 学科を過去問だけで仕上げている
学科試験は、キャリアコンサルティング理論、労働市場、関連法令、メンタルヘルス、統計など出題範囲が広く、厚生労働省の白書や統計から最新の数値が出題されます。過去問の暗記だけでは、新しい統計や制度改正に対応できません。合格率が急落する回は、この「新しい範囲」の比重が上がっていると考えられます(推測)。
2. 実技のロールプレイを本番形式で練習していない
面接は15分のロールプレイです。テキストを読むだけ、頭の中でシミュレーションするだけでは、15分という時間感覚が身につきません。関係構築に時間をかけすぎて問題把握に入れないまま終わる、というのが典型的な失敗です。養成講習の演習や勉強会で、実際に人を相手に時間を計って練習した回数が、そのまま結果に出ます。
3. 口頭試問で「振り返り」を言語化できていない
ロールプレイ後の口頭試問5分では、「できたこと・できなかったこと」「相談者の問題をどう捉えたか」「今後どう展開するか」を自分の言葉で説明します。ロールプレイ自体が不十分でも、振り返りが的確なら評価されます。逆に、うまくいったつもりで振り返りが浅いと点が伸びません。ここは練習で確実に伸ばせる部分です。
次回(第33回)の日程
| 学科試験・実技(論述) | 2026年11月1日(日) |
|---|---|
| 実技(面接) | 2026年11月7日(土)・8日(日)・14日(土)・15日(日) |
面接は上記4日間のいずれかに割り当てられ、受験者が日程を選ぶことはできません。試験日程は変更される場合があるため、申込前に各試験団体の公式サイトで確認してください。
受験するには養成講習の修了がほぼ必須
合格率の前に確認しておきたいのが受験資格です。この試験を受けるには、次の3つのいずれかを満たす必要があります。
- 厚生労働大臣が認定するキャリアコンサルタント養成講習の修了
- 労働者の職業選択・職業生活設計・職業能力開発に関する相談の実務経験3年以上
- 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科または実技の合格
実務経験3年に該当する人は限られるため、大半の受験者は養成講習を修了して受験します。つまりこの資格は、構造的に独学だけでは取得できません。
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よくある質問
Qキャリアコンサルタント試験の難易度はどのくらいですか?
直近の第32回(2026年7月5日実施)は学科54.8%・実技61.7%でした。直近8回では学科が54.8〜80.6%、実技が61.7〜67.7%の範囲で推移しています。ただし過去には学科20%台の回もあり、回による変動が大きい試験です。
Q学科と実技はどちらが難しいですか?
合格率の平均では学科のほうが高い回が多いですが、学科は回による振れ幅が大きく、実技は61〜68%で安定しています。準備量が結果に直結しやすいのは実技、当たり外れの影響を受けやすいのは学科です。
QJCDAとキャリアコンサルティング協議会、どちらで受けるべきですか?
合格率が高いほうを選ぶ、という判断は機能しません。年度によって有利な団体が入れ替わるためです。学科は共通問題で、合格後に得られる資格も同じです。実技の考え方(JCDAは経験代謝、協議会はシステマティック・アプローチ)が養成講習で学ぶ内容と揃っているかで選ぶのが現実的です。
Q合格基準は何点ですか?
学科は100点満点で70点以上、実技は150点満点で90点以上です。ただし実技は、論述が満点の40%未満、または面接の評価区分のいずれかが40%未満の場合、合計点が基準を超えていても不合格になります。
Q受験費用はいくらかかりますか?
受験手数料は学科8,900円、実技29,900円で、同時受験の場合は合計38,800円です。これとは別に、受験資格を得るための養成講習費用(30万円前後)がかかります。養成講習は教育訓練給付金の対象になっている講座が多く、条件を満たせば費用の一部が戻ります。
Q独学だけで合格できますか?
試験勉強を独学で進めることは可能ですが、そもそも受験資格を得るために養成講習の修了が事実上必要です。実務経験3年以上、または技能検定合格のいずれかに該当しない限り、独学のみで受験することはできません。
Q次の試験はいつですか?
第33回は学科試験・実技(論述)が2026年11月1日(日)、実技(面接)が11月7日・8日・14日・15日の予定です。面接日は受験者が選べません。日程は変更される場合があるため、申込前に各試験団体の公式サイトで確認してください。


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