キャリアコンサルタント養成講座の多くは「専門実践教育訓練給付金」の対象で、条件を満たせば受講料の50〜80%が国から支給される。ただし対象区分や給付率はスクールごとに異なるため、公式サイトでの事前確認が必須だ。
教育訓練給付金とは(制度の基本・3区分の違い)
教育訓練給付金は、雇用保険に加入している(または加入していた)人が、厚生労働大臣が指定する講座を受講・修了した場合に、支払った受講料の一部がハローワークから支給される制度だ。対象講座のレベルに応じて「一般教育訓練」「特定一般教育訓練」「専門実践教育訓練」の3区分があり、区分によって給付率と支給上限額が大きく異なる。
| 区分 | 給付率 | 支給上限額 | 主な対象講座の例 |
|---|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 20% | 10万円 | 簿記、TOEICなど幅広い資格・スキル講座 |
| 特定一般教育訓練 | 40%(資格取得・雇用で50%) | 20万円(資格取得・雇用で25万円) | 宅建士、社会保険労務士などの一部講座 |
| 専門実践教育訓練 | 50%(資格取得・雇用で70%、賃金上昇で80%) | 40万円(資格取得・雇用で56万円、賃金上昇で64万円) | キャリアコンサルタント、看護師、介護福祉士などの養成課程 |
出典:厚生労働省「教育訓練給付制度について」
キャリアコンサルタント養成講座は給付金対象になる?
結論から言うと、キャリアコンサルタント養成講座は多くのスクールで「専門実践教育訓練給付金」の対象になっている。2026年8月時点で、次の各校が公式サイト上で専門実践教育訓練給付金の対象講座であることを明示している。
- 資格の大原「キャリアコンサルタント養成講習」:入学金および受講料の最大80%が戻る専門実践教育訓練給付制度の対象と明記
- 地域連携プラットフォーム「キャリアコンサルタント養成講習」:厚生労働大臣指定講座(指定番号 1110055-2010011-0)、最大80%支給と明記
- LEC東京リーガルマインド「キャリアコンサルタント養成講座」:教育訓練給付(専門実践)の対象講座ページを開設
- ヒューマンアカデミー「キャリアコンサルタント養成講座」:学費の最大70%が戻る専門実践の指定講座と明記
- 日本マンパワー「キャリアコンサルタント養成講座」:受講料の最大7割が給付されると明記
- リカレント「キャリアコンサルタント養成講座」:学費の最大80%が戻る指定講座と表示
公式サイトの表記が「最大70%」と「最大80%」に分かれているのは制度改正の反映差であり、講座の優劣ではない(詳細は後述)。ただし指定は年度ごとに見直されるため、申込み前に必ず厚生労働省の講座検索システムで最新の指定状況を確認してほしい。
給付金の対象条件
教育訓練給付金を受けるには、雇用保険の被保険者期間などの要件を満たす必要がある。以下は厚生労働省の制度リーフレットに基づく条件である。
- 在職者:受講開始時点で雇用保険の被保険者であること。
- 初めて教育訓練給付金を利用する場合:一般教育訓練と特定一般教育訓練は雇用保険の加入期間が通算1年以上、専門実践教育訓練は通算2年以上必要。
- 2回目以降に利用する場合:前回の受講開始日以降、雇用保険の加入期間が通算3年以上必要。
- 離職者の場合:離職日の翌日から受講開始日までが原則1年以内であること。妊娠・出産・育児・疾病・負傷などの理由で働けなかった期間がある場合は、最長20年まで受給期限を延長できる制度がある。
- 専門実践教育訓練を受ける場合は、受講開始前にハローワーク(または「キャリア形成・リスキリング支援センター」)で訓練前キャリアコンサルティングを受け、受給資格の確認を行う必要がある。
キャリアコンサルタントで給付金対象の講座一覧(比較表)
各校の公式サイトで2026年8月時点に確認できた税込受講料のみを掲載する。受講料・割引条件は年度改定やキャンペーンで変わるため、申込前に必ず各校公式サイトで最新の金額を確認してほしい。
| 講座 | 給付金区分 | 受講料(税込) | 80%給付時の自己負担(試算) | 50%給付時の自己負担(試算) |
|---|---|---|---|---|
| 資格の大原 キャリアコンサルタント養成講習 |
専門実践教育訓練給付金 | 294,000円 大原受講生割引 285,100円 |
58,800円 | 147,000円 |
| 地域連携プラットフォーム キャリアコンサルタント養成講習 |
専門実践教育訓練給付金 指定番号 1110055-2010011-0 |
297,000円 | 59,400円 | 148,500円 |
| LEC東京リーガルマインド キャリアコンサルタント養成講座 |
専門実践教育訓練給付金 | 330,000円 | 66,000円 | 165,000円 |
| ヒューマンアカデミー キャリアコンサルタント養成講座 |
専門実践教育訓練給付金 | 355,300円 +入学金55,000円 |
71,060円 | 177,650円 |
| 日本マンパワー キャリアコンサルタント養成講座 |
専門実践教育訓練給付金 | 396,000円 説明会参加特典割引・有資格者紹介割引 385,000円/学生 341,000円 |
79,200円 | 198,000円 |
| リカレント キャリアコンサルタント養成講座 |
専門実践教育訓練給付金 | 公式サイトに総額の明記を確認できず 資料請求・問い合わせが必要 |
算出不可 | 算出不可 |
自己負担額は「受講料×(1-給付率)」の単純試算。実際の給付対象額は厚生労働省が認定した価格であり、支払額と一致しない場合がある。入学金が給付対象になるかは講座により異なり、支給の可否・金額は最終的にハローワークの審査で決まる。
学習形式・受講期間・開講スケジュールの比較は、キャリアコンサルタント養成講習の選び方|完全オンライン・期間・実質負担で6社比較で詳しく整理している。そもそも養成講習が必要かどうかは、受験資格の3ルートで先に確認しておきたい。
給付率は50%・70%・80%の3段階(令和6年10月以降の開講講座)
公式サイトによって「最大70%」と「最大80%」で表記が割れているのは、制度改正の反映タイミングの差である。専門実践教育訓練給付金は次の3段階になっている。
| 段階 | 給付率 | 年間上限 | 条件 |
|---|---|---|---|
| 受講中 | 50% | 40万円 | 受講中6か月ごとに支給 |
| 修了後 | 70% | 56万円 | 資格取得等をし、かつ訓練修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合 |
| 賃金上昇後 | 80% | 64万円 | 70%給付後、修了後の賃金が受講前と比べて5%以上上昇した場合 |
出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」。80%の区分は令和6年10月以降に開講する講座が対象。参考までに特定一般教育訓練は40%(上限20万円)、資格取得+1年以内の被保険者雇用で50%(上限25万円)。
最初から80%が確定するわけではない点に注意したい。受講開始時に手元から出ていくのは受講料の全額であり、給付は後から段階的に戻ってくる仕組みである。
キャリアコンサルタント養成講座なら【日本マンパワー】
給付金を使う前提なら、受講料の総額よりも「自分が支給要件を満たすか」「開講日程に間に合うか」の確認が先になる。国家資格キャリアコンサルタントの養成に実績のある日本マンパワーは、カタログ請求や説明会参加から日程・費用の詳細を確認できる。説明会に参加すると受講料の割引が案内される。
![]()
もう1社比べるなら
LEC東京リーガルマインドは全国に学習センターがあり、通学とWeb通信を選べます。教育訓練給付の対象講座もあります。
給付金の申請方法・流れ
専門実践教育訓練給付金は「受講前の手続き」と「修了後の申請」の2段階に分かれる点が、他の区分と大きく異なる。
- スクール説明会・個別相談で、希望する講座が専門実践教育訓練給付金の対象かどうかを確認する。
- 受講開始前に、ハローワークまたはキャリア形成・リスキリング支援センターで「訓練前キャリアコンサルティング」を受け、ジョブカードを作成する。
- ジョブカードなどの必要書類をそろえ、ハローワークで「教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格者証」の交付を申請する。受講開始日の2週間前までに手続きが必要と案内されている。
- スクールに申し込み、受講料を支払って講座を受講する。
- 講座修了後、スクールから交付される「教育訓練修了証明書」などの必要書類を用意する。
- 受講修了日の翌日から起算して原則1か月以内に、ハローワークで支給申請を行う。
- 審査を経て、指定口座に給付金が振り込まれる。振込までの具体的な所要日数は今回確認できた資料には明記がなく不明のため、管轄ハローワークに確認することを推奨する。
専門実践教育訓練給付金は、事前のキャリアコンサルティングを忘れると給付金自体を受け取れなくなる点が最大の注意点だ。事前手続きの期限は受講開始日の2週間前までだが、キャリアコンサルティングは予約が必要なため、申込みを決めたら受講開始の1か月前を目安にハローワークへの相談を始めたい。
給付金を使う際の注意点
- 給付金は「後払い(受講料を一旦全額自己負担し、修了後に一部が戻る)」が基本。受講申込み時にまとまった資金が必要になる。
- 専門実践教育訓練は、受講開始前のキャリアコンサルティング・ジョブカード作成を行っていないと、そもそも対象外になる。
- 給付金の対象となるのは「厚生労働大臣指定講座」のみ。同じスクールでも講座・コースによって指定状況が異なる場合があるため、申込む具体的なコース名で確認する必要がある。
- 追加給付(資格取得後の雇用・賃金上昇による上乗せ)を受けるには、有資格者として一定期間内に雇用されている、または賃金が一定以上上昇しているなど、別途条件を満たす必要がある。
- 離職者は受講開始日までの期間制限(原則離職後1年以内)があるため、離職後すぐに動く必要がある。
- 受講料・給付率・対象区分は年度やキャンペーンで変更されることがある。この記事の金額は調査時点のものであり、必ず最新情報を確認すること。
給付金以外で費用を抑える方法(独学との比較)
キャリアコンサルタントは国家資格であり、受験資格を得るには「厚生労働大臣が認定するキャリアコンサルタント養成講習の修了」または「労働者の職業選択・職業能力開発に関し3年以上の実務経験」のいずれかを満たす必要がある。実務経験3年以上を持つ人以外は、独学だけで受験資格を得ることは事実上できず、養成講座の受講がほぼ必須になる。そのため独学での費用ゼロ受験は多くの人にとって選択肢にならない。費用を抑える現実的な方法としては、次のようなものが考えられる。
- 教育訓練給付金の対象講座を選び、給付率が高いコース(専門実践・条件達成時80%など)を優先する。
- スクールごとの早期申込割引・法人割引・再受講割引などのキャンペーンを比較する。
- 会社の資格取得支援制度や、自治体独自の資格取得助成金が別途利用できないか確認する(制度の有無・内容は自治体・勤務先によって異なるため個別確認が必要)。
- eラーニング中心のコースなど、通学型より費用を抑えやすいコースを検討する。
※本記事の内容は2026年8月時点の調査に基づくものです。教育訓練給付金の給付率・上限額・対象講座の指定状況、および各スクールの受講料・キャンペーン内容は変更される場合があります。申込みの際は、必ず厚生労働省の教育訓練講座検索システムおよび各スクールの公式サイト、管轄のハローワークで最新情報をご確認ください。
独学と通信講座を比較したい方はこちら
他の資格の給付金対象講座もチェック
他の資格の給付金対象講座もまとめて確認したい場合は、教育訓練給付金で取れる資格12選|給付率20〜80%の区分と実質負担の考え方から探せる。


コメント