「これまでの社会人経験を、これからのキャリアにどう活かすか」——40代になると、そんな問いに向き合う人が増えてきます。転職支援、人事、営業、教育など、さまざまな分野で培った経験を土台に、人のキャリアを支える仕事として注目されているのが「キャリアコンサルタント」という国家資格です。
本記事では、「40代・社会人からキャリアコンサルタントに挑戦する」というテーマに絞り、公的データや実際の体験談をもとに、メリットだけでなく費用対効果やリアルな厳しさまで正直にまとめました。すでに当サイトでは難易度・年収・将来性や独学vs通信講座の比較、教育訓練給付金対象講座について解説していますので、あわせて参考にしてください。
40代はキャリアコンサルタント資格取得者の「中核層」
まず押さえておきたいのは、キャリアコンサルタントという資格が決して「若手向け」の資格ではないという事実です。日本マンパワーが紹介しているキャリアコンサルティング協議会の2022年調査によると、活動しているキャリアコンサルタントの年代構成は以下の通りです。
| 年代 | 構成比 |
|---|---|
| 50代 | 41.4% |
| 60代 | 25.7% |
| 40代 | 21.9% |
| 30代 | 6.8% |
| 70代以上 | 3.6% |
50〜60代で約7割を占めており、40代を含めると9割以上に達します。つまりキャリアコンサルタントは、20〜30代で取得してキャリアをスタートする資格というより、社会人経験を積んだミドル・シニア層が「セカンドキャリア」として選ぶことの多い資格だといえます。同じく日本マンパワーの記事では、同社の養成講座受講生の年代内訳として「50代40%、40代26%、30代18%」というデータも紹介されており、40代は受講生全体でも2番目に大きなボリュームゾーンです(出典:日本マンパワー「キャリアコンサルタントと年齢の関係は?」)。
一方で、労働政策研究・研修機構(JILPT)が2023年に公表した調査報告書では、「30〜40代が大きく減少し、50代がピークとなり、60代以上が増加している」という高齢化傾向も指摘されています(出典:JILPT「第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」)。つまり40代は「中核層ではあるが、業界全体としては50代以上へのシフトが進んでいる」という位置づけになります。今40代で挑戦することは、比較的早い段階での参入といえるかもしれません(推測:40代のうちに資格を取得し実務経験を積むことで、50代以降に業界の中核として活動しやすくなる可能性があります)。
40代が目指す理由——社会人経験がそのまま「武器」になる
キャリアコンサルタントの仕事は、相談者の職務経歴・強み・悩みを理解し、次のキャリアを一緒に考えることが中心です。そのため、次のような社会人経験を持つ40代にとっては、経験そのものが実務の土台になりやすいという特徴があります。
- 人事・採用経験者:面接官や採用担当としての経験は、求職者の職務経歴書の見方や企業側の視点の理解に直結します。
- 複数回の転職経験がある人:自分自身の転職活動での失敗や成功体験は、相談者への共感や具体的なアドバイスに活きます。
- マネジメント経験者:部下のキャリア面談や育成の経験は、そのままキャリアコンサルティングの基礎スキルと重なります。
- 営業・接客経験者:傾聴力やヒアリング力は、カウンセリングの土台となるスキルです。
日本マンパワーのコラムでも、30〜50代からのセカンドキャリアとしてキャリアコンサルタントを目指す動きが紹介されており、「これまでの経験を言語化し、他者の支援に転用する」という考え方が繰り返し強調されています(出典:日本マンパワー「セカンドキャリアの実現はいつから?」)。ただし、経験があるからといって自動的に活躍できるわけではなく、資格取得後の実務経験の積み方が重要になる点は後述します。
養成講座の費用と、40代社会人にとっての費用対効果
キャリアコンサルタント資格を取得するには、原則として厚生労働大臣認定の養成講習を修了する必要があります(実務経験3年以上がある場合は講習を受けずに受験できるルートもあります)。この養成講習の費用が、40代社会人にとって現実的な検討ポイントになります。
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| 養成講習受講料 | 25万円〜50万円程度 |
| 国家資格試験の受験料 | 38,800円 |
| 資格登録関連費用 | 17,000円 |
| 5年ごとの更新講習 | 18,500円〜160,000円 |
| 取得〜初回更新までの総額目安 | 約42万円〜69万円 |
(出典:日本マンパワー「キャリアコンサルタントになるための費用はいくら?」)
この金額だけを見ると「決して安くない」というのが正直な印象です。ただし、多くの養成講座は厚生労働省の「専門実践教育訓練給付制度」の対象となっており、条件を満たせば受講費用の一部が支給されます。基本支給は受講費用の50%(年間上限40万円)で、資格取得かつ雇用された場合はさらに追加支給が上乗せされる仕組みです。給付金の対象講座や具体的な条件については、教育訓練給付金対象講座まとめで詳しく解説していますので、必ず自分が対象になるか確認してください。
40代社会人にとっての費用対効果を冷静に考えると、以下の2つの視点が重要です。
1. 「独立・高収入」を前提にすると回収は簡単ではない
後述する通り、資格取得後すぐに独立して高収入を得られるケースは多くありません。数十万円の投資を「独立開業のための先行投資」と考えるなら、回収には時間がかかる前提で計画すべきです。
2. 「現職での評価・社内異動・副業の入口」として考えると回収しやすい
人事部門への異動、社内研修・1on1面談スキルの向上、部下育成への活用など、現職の中で資格を活かす道であれば、給与アップや評価向上という形で比較的早く費用対効果を得られる可能性があります。実際、キャリアコンサルタント資格は人事・人材業界だけでなく、一般企業の人材育成部門でも評価されるケースが増えています(不明:業界・企業ごとの評価度合いは差が大きく、一律の数値データは確認できませんでした)。
働きながらの学習時間、どう確保する?
40代社会人がネックに感じやすいのが「学習時間の確保」です。一般的にキャリアコンサルタント試験の合格に必要な勉強時間は150〜200時間程度が目安とされています(出典:MS-Japan「キャリアコンサルタントとは?難易度や合格率・勉強時間」)。
実際の体験談として、残業のある働き方をしながら試験に挑んだ受験者が、note上で学習の記録を公開しています。この方は「113時間の勉強で学科試験80点を取得して合格した」と報告しており、平日1〜1.5時間、休日3〜6時間というペースで、7月から試験日までの期間で学習を進めたとしています。「全部を完璧にしようとせず、難問は捨てる」「使用教材を絞る」「過去問を3周し、正解の理由まで説明できるようにする」といった、時間が限られた社会人ならではの効率重視の戦略が紹介されています(出典:note「残業ありの社会人が113時間で学科80点」)。
もちろんこれは一つの体験談であり、全員に当てはまる再現性を保証するものではありません。しかし、フルタイムで働きながらでも、学習範囲を絞り込む工夫次第で合格ラインに到達できる可能性があることは、40代社会人にとって参考になるはずです。通信講座と独学、それぞれの学習効率の違いについては独学vs通信講座の比較記事で詳しく比較しています。
資格取得後、40代からの兼業・副業としての実態
「資格を取ったら副業でどのくらい稼げるのか」は、多くの40代社会人が気になるポイントでしょう。ここは特に、良い面と厳しい面の両方を正直にお伝えします。
データで見る収入の実態
JILPTの2023年調査によると、キャリアコンサルタント登録者のうち「専任・専業」は約4割、「兼任・兼業」は約6割となっており、資格取得者の過半数が何らかの形で兼業しています。個人の年収(税込み)については、最頻値が「300万円〜400万円未満」(16.5%)、中央値は「400万円〜500万円未満」という結果でした。ただし、正規雇用者は年収500万円以上が多い一方、非正規雇用者では「200万円〜300万円未満」が最も多い(28.0%)など、雇用形態によって大きな差があることも報告されています(出典:JILPT「第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」)。この年収データは「キャリアコンサルタント専業としての年収」であり、副業として得られる収入とは別軸の数字である点に注意してください。
副業としてのリアルな声
15年のキャリアコンサルタント経験を持つ実務者がnoteで公開している記事によると、副業の良い面として「土日限定・夜間のみ・単発」など多様な働き方が可能で、「年間100万円以上を稼いでいる人も実際にいる」と紹介されています。新卒支援、人材紹介、大学のキャリア支援、中小企業のセルフキャリアドックなど仕事の種類も豊富です。
一方で厳しい面として、「動いている人のところにだけ、情報が集まるのが現実」であり、待っているだけでは仕事は来ないという指摘があります。特に中小企業向けの支援(セルフキャリアドックなど)は「経営者との関係構築・現場理解・覚悟が必要」であり、「簡単に仕事が取れるわけではない」と明言されています(出典:note「キャリアコンサルタントの副業〜15年の経験から伝えたい『現実』と『可能性』」)。
つまり、「資格さえ取れば自動的に副業収入が得られる」というものではなく、資格取得後の営業活動・人脈構築・実務経験の積み重ねが不可欠です。この点は、資格の難易度や将来性を扱った難易度・年収・将来性の記事でも触れていますので、あわせてご確認ください。
40代・社会人にキャリアコンサルタントが向いている人・向いていない人
| 向いている人 | 向いていない可能性がある人 |
|---|---|
| 人事・採用・営業・接客など人と関わる業務経験がある | 「資格を取れば高収入」という期待が大きい |
| 現職でのキャリア(人事異動・評価向上)に活かしたい | 資格取得後の営業活動に時間を割けない |
| 自分の転職・キャリアの失敗や成功を人の役に立てたい | 短期間での収益化を最優先したい |
| 週150〜200時間程度の学習時間を数カ月確保できる | 学習時間の確保がまったく見込めない |
まとめ:40代からの挑戦は「経験の棚卸し」から
40代からのキャリアコンサルタント挑戦は、データ上も「中核層」としての実績があり、社会人経験・人生経験がそのまま強みになりやすい資格です。一方で、費用は数十万円単位、学習時間も150〜200時間程度が必要であり、資格取得後の副業・独立も「動いた人だけが機会を得られる」という厳しさが実態としてあります。
まずは自分の社会人経験を棚卸しし、「現職での活用」なのか「将来的な独立・副業」なのか、目的を明確にした上で、養成講座の費用対効果や教育訓練給付金の利用可否を確認することをおすすめします。講座選びに迷う場合は独学vs通信講座の比較記事、費用面が気になる場合は教育訓練給付金対象講座まとめ、資格全体の難易度や将来性を知りたい場合は難易度・年収・将来性の記事を参考にしてください。
キャリアコンサルタント養成講座なら【日本マンパワー】
社会人経験を活かした学び直しを検討する際は、養成講座選びに迷ったら、国家資格キャリアコンサルタントの養成に実績のある日本マンパワーの講座内容・日程・費用を公式サイトで確認しておくとよい。カタログ請求や説明会参加から情報収集を始められる。
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よくある質問
※本記事は2026年8月時点の情報に基づきます。
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